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歌舞伎俳優・片岡仁左衛門(65)が映画「最後の忠臣蔵」(杉田成道監督、2011年公開)で大石内蔵助を演じることが16日、分かった。仁左衛門は上演 中の歌舞伎座・吉例顔見世大歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」(25日まで)の「七段目」「十一段目」で内蔵助にあたる大星由良之助を演じている。98年に仁左衛 門を襲名してからは初の映画への本格出演。「新たな内蔵助像というものを見ていただきたい」と意気込みを語った。
仁左衛門の久々となる映画出演の役柄は、歌舞伎でも“当たり役”とする大石内蔵助だ。いま歌舞伎座での「通し狂言 仮名手本忠臣蔵」で内蔵助にあたる大星由良之助を演じている。
昨年10月の平成中村座「仮名手本―」、今年3月の歌舞伎座「元禄忠臣蔵」(内蔵助)に続き、立て続けに3度の由良之助(内蔵助)を演じた。「何年に1 回演じるか、というお役なのに、1年に複数演じることはなかなかないですね」。続く映画出演の依頼に不思議な縁を感じている。
映画「最後の忠臣蔵」では討ち入り前夜に離脱した瀬尾孫左右衛門(役所広司)と討ち入りに参加したが切腹せずに生き残る寺坂吉右衛門(佐藤浩市)のその後の物語。仁左衛門演じる内蔵助は2人に“生きること”を諭す重要な役割だ。
「今までに知っている内蔵助とは違う角度から切り込む作品。新たな内蔵助像というものを見ていただきたい」と仁左衛門。父の13世片岡仁左衛門は“由良之助役者”の評判をとった名優だ。
「(父親から教わったのは)精神面ですね。気持ちをしっかりたたき込まれた。『主人を思う気持ち』と『おごらない気持ち』。映画でも共通すると思いますね」と気持ちを引き締めている。
仁左衛門は孝夫時代に「わるいやつら」(80年)など出演しているが、映画出演は数えるほど。坂東玉三郎監督作品「外科室」(92年)はワンシーンの “特別出演”だ。映画については「ここ20年は出ていないでしょうね。(映画は歌舞伎に例えると)最初のけいこで終わり、みたいなもの。非常に怖さがあ る」と言う。
それでも今回、出演を快諾したのは理由がある。「『忠臣蔵』には日本人の魂がある。ご存じない若い人たちに知ってほしい。それに(映像が)嫌だ嫌だと 言っても、やっぱり好きなんでしょうな。若いときはクイズ番組にも出ましたし、司会もしました。自分の可能性を試してみたいという好奇心は今でもありま す」。襲名後、初ともいえる映画への本格出演を楽しみにしている。
◆歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」 1748年に大阪竹本座で初演された人形浄瑠璃で、その後すぐ歌舞伎でも上演された。大石内蔵助以下47人の赤穂浪士が討 ち入りした史実に基づきながら、内蔵助を大星由良之助、吉良上野介を高師直、浅野内匠頭を塩冶判官などの役名で脚色している。人気が高く「芝居の“独参湯 (特効薬)”」とも言われる。ほかに真山青果作の新歌舞伎「元禄忠臣蔵」もあり、こちらは歴史上の人物がそのまま役名になっている。
